映画

「I’ll Be Back(アイルビーバック)」

このセリフを聞いて思い出す映画は?
と聞かれたら、ほとんどの方はすぐに答えられると思う。
そう、アーノルドシュワルツェネッガーが主演のターミネーターⅡである。
では、このセリフを聞いて思い出す映画は何だろうか?

「飛ばねえブタは、ただのブタだ」

そう、キザなブタが主演の『紅の豚』である。
インパクトがありすぎて、よくTVのバラエティでも使われているフレーズである。

 

どちらの映画も面白さは誰もが認めるところではあるが、
これだけ有名になったのは、やはり名ゼリフがあったからに違いない。

これが例えば、名ゼリフがなかったとしたらどうだろう。
「あの、ほら、機械と人間の戦いの、シュワちゃんが出てた、銃をバンバン撃つやつで・・・・・・」
「ほら、ジブリの、豚が主演の、飛行機のパイロットで、・・・・・・」
と説明が必要になる。
なにより名ゼリフがあったからこそ、ずっと人間の記憶の片隅に存在出来るというものだ。

名ゼリフはただ一言発せばそれで映画の全てを聞き手の脳裏に再現させてしまう。
そしてしばしば、映画の主役は俳優ではなく名ゼリフに変わってしまうのである。
これは裏を返せば、私たちがそれだけ名ゼリフが好きだということも表しているのだと思う。
グッとくるかっこいいフレーズはどこかのタイミングで使ってみたいし、
友人知人に映画の感想を伝える時にも欠かせない。
ツラい時に力をくれたり、悲しい時に癒してくれるのもまた名ゼリフなのである。
そういえば、プロポーズに使ったっていうやつもいたっけ。
だが気をつけなければならないことがある。
それは、その人によって名ゼリフの基準が全く異なるということだ。
ある人にとってはグッとくるフレーズでも、それが他の人もそうだとは限らない。
安易にセリフを使ってみたら、相手はきょとんとしていたという失敗を経験した人もいるだろう。

 

だから私はこっそりと、ある名ゼリフを自分の心に閉まっている。
毎朝それを見て気合を入れてから仕事をしているので座右の銘と言ってもいいくらいの言葉だ。
どういったものか、せっかくなので少しご紹介したい。

 

それは浅田次郎原作の歴史小説で2003年に映画化された【壬生義士伝】に出てきたセリフである。
この映画のストーリーは、主人公である盛岡の武士が家族を養う為に脱藩をして新撰組に入隊し、
儀と家族の為に一生を賭した物語だ。
その中のワンシーンで、主人公が地元盛岡の教え子たちを奮い立たせるために発した言葉がある。

 

「南部盛岡は、江戸より百四十里。奥州街道の涯てゆえ、西国のごとき実りはあり申さぬ。
 おぬしらが豊かな西国の子らに伍して身をば立て、国ば保つのは並大抵のことではねえぞ。
 盛岡の桜は石ば割って咲く。盛岡の辛夷は、北さ向いても咲ぐのす。
 んだば、おぬしらもぬくぬくと春ば来るのを待つではねえぞ。
 南部の武士ならば、見事石ば割って咲げ。盛岡の子だれば、北さ向いて咲げ。
 春に先駆け、世にも人にも先駆けて、あっぱれ花こば咲かせてみろ」

 

これが私にとっての名ゼリフだ。
方言が分からない方もいると思うので、解説すると、

『盛岡は都会に比べたら豊かじゃない。
 お前達が暮らしていくには大変だぞ。
 だから、誰かがやってくれるのを待つのではなく、
 自ら動いて大成してみせろ』

ということだ。

この言葉に救われたことが何度あったか分からない。
これは南部藩辺りで生まれた人間には特に刺さる言葉だと思う。
それに東北でない地方の方も共感出来るのではないか。
全ての人がそうではないと思うが、都会に憧れもありつつ、嫉妬もしている。
そして、都会に負けてたまるかと歯を食いしばってもいるのだ。

皆さんにとっての名ゼリフとは何だろうか。
そこには秘められたエピソードや想い、色んな感情が詰まっていることだろう。
たった一言ではあるが、やはり言葉の持つ力というものは凄い。

また名ゼリフを見つけたらぜひご紹介したいと思う。
その時には必ずまたこのブログに私は戻ってくる。

「I’ll Be Back(アイルビーバック)」

ちょっと無理やりかな(笑)
どうもお後がよろしいようで。