防災
みなさん、アトラクション不毛の地と呼ばれて久しい池袋に、
老若男女問わず大人気のアトラクション施設があるのをご存知だろうか。

「はて、アトラクション施設なんてあっただろうか」と記憶の中からひねり出してみても、
サンシャインの中にあるナンジャタウンか最近出来たラウンドワンぐらいしか思い浮かばない。

だが、今日ご紹介するのはそのどちらでもない。
恐らく東京生まれ東京育ちの方なら知っているかもしれない。

その施設の名は『池袋防災館』である。
<以下、専用HPへのリンク>
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-ikbskan/
このありきたりなネーミングから予想するに、
「ああ、消化器を使って消化体験を出来るんでしょ」
ぐらいに思っていたら大間違い。

ぜひそういう方にこそ行っていただきたい。
確実に腰抜かす程のインパクトを感じる事が出来る。
そのインパクトたるや、もう国を超えて中国人から韓国人、果ては南国の方々までを魅了してしまう。

実は先日、ビルの防災訓練の一環で訪れたのだが、施設内にワラワラといた人間のざっと7割方が外国人だった。
もはや日本人のほうが希少ですらある、この状況(笑)
施設の程度のいい古さというか雰囲気などとあいまって
うっかりすると、ここはアジアの発展途上国のローカルな観光スポットかと見間違うほどだ。

この施設にはアトラクションが幾つかあって、30人1グループで順々に体験をしていく。
最初に2時間コースと聞いた時には、
「えっ、そんなに長いの?!」
って思ったけれど、終わってみたらあっという間だった。
その一部始終をご紹介したい。

最初に私たちのグループは火事場体験を訪れたのだった。

【火事で一番怖いのは何か?】

最初の見学場所に着くと案内役のベテラン消防隊員が火事の怖さについて動画付きで解説してくれる。
よく小学生の頃に社会科見学などで体験する”あの”雰囲気そのものである。

しかしこの動画、かなり良く出来ている。
火事の怖さに加え、火事になった時にどう行動すればよいか、
普段からどのように準備をすればいいかが的確に分かる。

しかもこの動画は10種類あって、
子供編、大人編、自宅編、会社編、果ては外国人編まである。
さすがは、池袋屈指のアトラクション施設である。
クオリティが高い。

さて、突然ですが、ここで質問です。
『火事で一番怖いのは何でしょう?』

・・・・・ちーーーーん!
はい、これは大体皆さん周知の事実だと思いますが、
「火」ではなく「煙」が正解です。
火はもちろん怖いです。しかし、もっと怖いのは煙だということですね。

どの程度怖いかというのを3つポイントでまとめてみました。

①煙の方が広がるのが早い。

煙は上に上に行く性質なので、階段なんかはあっという間に上階まで侵入してしまう。
横への広がりについては人の歩く速さと同じ程度なので、落ち着いて行動すれば充分に逃げられる。
天井から煙が回るので姿勢を低くして移動するのは誰もが知っている常識である。

②煙は視界をさえぎってしまう。
煙が充満すると何も見えなくなるとのこと。
そうすると一時的なパニック障害に陥って、逃げ遅れ死に至る。ということだ。

③白い煙より黒い煙が一番怖い。
最後は、これ。実は黒い煙は2回吸い込んだだけで死に至るとのこと。
なんでも、黒い煙は熱を帯びているため、吸い込むと体内の気道がヤケドして、
水ぶくれになったり炎症を起こして腫れ上がった結果、
気道をふさいで窒息してしまうとのこと。

いや、もうここまで来ると煙に対しては恐怖しかないですわ。
煙、怖い。

と思ったところで、すかさずベテラン消防隊員が、
「さあそれじゃあ体験してみますかね?」
「え? 何を?」
と思い、モニターを見ていると、なにやら部屋が幾つか見える。

「それじゃあ、今からこちらの部屋に煙を充満させます。
皆さんには5名1グループになって、この部屋から脱出してもらいます。」

そう。
ここでの一番のメインは「実際に煙で充満した家からの脱出」というアトラクションなのである。

これは非常にテンションがあがる。
不謹慎なような気もするが、やはり今まで体験したことがないことが出来るということは
ワクワクするものである。

これは、実際に体験していただきたい。
事前に見て部屋の構造は分かっているはずなのに、いざ現場に入ると一瞬パニック状態に陥ってしまう。
もう方向感覚がまったくなくなるのである。

見えるのは誘導灯と近くの壁のみ。
いや、本当に普段何気に見過ごしている誘導灯はこんなにも優れたものなんだなと改めて感心する。

ちなみに、この部屋の中に充満している煙だが、有害ではないとはいえ、
本当に息苦しくて吸い込みたくないと思うような煙になっている。
こういった細かいディティールも流石としかいいようがない。

そして、一通りグループが体験終わり、ベテラン隊員が総括をしたところで、
次のアトラクションに移動するのである。

前編終わり
以下、内容の後編に続く。
『あの地震と”同じ揺れ”の体験が出来るアトラクションとは?』
『あの地震の時のことは今一度思い出さなくてはならない』